エコショップ「イオンモール福津」にインタビューしました!

更新日:2024年03月12日

第3弾「イオンモール福津」


イオンモール福津は、福津市を代表する大規模商業施設です。2012年、当時開発が進んでいた日蒔野にオープンしました。スーパーや映画館、家電量販店、書店、レストランのほかさまざまな専門店が入っています。訪れたことがある人も多いのではないでしょうか。イオンモールを展開するイオンモール株式会社は、オープン前から市との地域貢献基本協定や防災協定などを結んでいて、現在も市とさまざまな場面で協力しています。

イオンモール福津の外観1

▲イオンモール福津の外観


イオンモール福津がエコショップとしてどんな取り組みをしているのか、イオンモール株式会社社員でイオンモール福津オペレーションマネージャーの轟崇史(とどろき たかふみ)さんにお話しを伺いました。

Q1.平成29年にエコショップ認定申請されています。認定申請したきっかけは何ですか?

A1.参加することで、福津市の環境へ貢献できると思ったためです。

轟さん

当社では、全社を挙げてSDGs(※)に関する取り組みを行っています。イオンモールは大規模商業施設であるため、運営する中で多くの電気の使用、専門店街などからの廃棄物の排出などを伴います。持続可能な社会を実現するには、こうした環境への負荷を減らしていくことを絶対に考えなければなりません。エコショップは廃棄物の減量や再生可能エネルギーの導入など環境に配慮した取り組みを支援するものです。その中には当モールが行っていることもあったため、申請しました。

※SDGs(持続可能な開発目標)…2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。17のゴール、169のターゲットで構成される。

Q2.企業として環境負荷を減らすという姿勢があるんですね。社員みなさんがそういう視点を持っているのですか?

A2.得た利益を地域に還元するという意識は、全社員が共有していますね。

轟さん

廃棄物を管理する者として、私たちオペレーション部門の社員全員が産業廃棄物などに関する勉強をしています。モール内の全ての店舗にも廃棄物削減のお願いをしていて、廃棄物は20品目ほどに分別してもらっているんですよ。排水なども、当社の基準を法律に基づく基準より厳しく設定し、数値が悪くないかを確認しています。環境を含め、地域を大事にするという意識を持つようにしています。

Q3.昨年度重点的に取り組まれたことについて教えてください。

イオンモール福津R4年度の取り組み項目2

▲令和4年度のイオンモールの取り組み

A3.ごみ削減につながる取り組みに力を入れました。

轟さん

当社では、廃棄物削減とリサイクルを推進するため、全国のモールの廃棄物とリサイクルの現状をまとめています。特に当モールでは、オープン当初からごみを減らしたい、お金をかけてでもやるぞという想いがあります。

Q4.強い想いを持っていらっしゃるんですね。ごみ削減につながる取り組みとは具体的には どのようなものですか。

A4-1.まず、衣料品回収キャンペーン「幸服(こうふく)リレー」です。(表の5)

幸服リレー1

▲幸服リレーは全国のモールで開催している。回収した衣料品の一部は外国の子どもたちに配布された。

幸服リレー2

▲幸服リレーの会場。たくさんの人が洋服などを持って訪れる。

轟さん

お客様が使わなくなった洋服、鞄、靴などの衣料品の回収をモール内で回収し、リユース・リサイクルする取り組みです。衣料品を年に2~3回開催し、持って来ていただいたお客様には、先着でモール内の対象店舗で使えるお買物券などをお渡ししています。全国のモールで開催していて、これまで多くのお客様にご参加しただき、イオンモール全体で260tの衣料品が回収されました。

衣料品の廃棄を減らすことで、焼却による二酸化炭素の発生を抑えることができます。

A4-2.次に、食品ロス(※)を含む食品廃棄物(※)の削減です。(表の1)

轟さん

当モールでは、食品廃棄物をリサイクルする取り組みを行っています。イオン九州やレストラン街からは、野菜を加工した時に出るくずや、売れ残り・食べ残しなどの食品廃棄物が毎日出てしまいます。この食品廃棄物を、市内の事業者に依頼し、肥料を製造する企業へ運んでもらっています。食品廃棄物はそこで有機肥料にリサイクルされます。

衣料品と同様に、食品廃棄物を普通に廃棄すると二酸化炭素を排出して焼却しなければなりません。有機肥料を生み出すこともでき、地球温暖化抑制にもなるため、運搬費用をかけてでも取り組む意味があると思っています。
 

※食品ロス…まだ食べられるのに廃棄される食品のこと。日本では食品ロスの量が年間523万トン(令和3年度)とされている。
※食品廃棄物…野菜や果物などを加工する際に出るくず(食べられない部分)や、流通過程や消費段階で生じる売れ残り・食べ残しなどのこと。食品ロスは食品廃棄物の中に含まれる。

A5.どちらの取り組みからも、ごみの削減に対する姿勢が伺えます。食品ロスに関して、 新たな取り組みも始められていますね。

Q5.食品ロスを利用したウニの養殖プロジェクトを始めました。

轟さん

九州大学水産実験所アクアフィールド科学研究室と連携して、昨年から取り組み始めました。全国の沿岸部で問題となっている「磯焼け(※)」の原因のウニを駆除し、そのウニを、当モールから排出されるロス食材や食品カスで養殖して、再び食材としてモール内の飲食店で提供することを目指しています。

昨年、当モールのイベントにてさまざまなロス食材・食品カスを餌として与える実験を行い、コーヒーの豆カスがウニに人気という結果を得ました。このプロジェクトが、藻場の回復、食品ロスの削減、地域のブランド力向上などに繋がればいいと思います。

▲ウニがロス食材を食べる様子

サステナフェスウニ画像2

▲いろいろな食材で実験し、お客様に見てもらった

これらの取り組みを通して、国内のモール全体として2022年度の廃棄物リサイクル率は90.6%を達成しました。まだまだ課題はありますが、当モールもリサイクル率の向上を目指します。

Q6.再生可能エネルギーの導入についても教えてください。(表の4)

A6.現在設置している太陽光パネルに加え、さらにパネルを導入していく予定です。

轟さん

現在、モールの屋根に太陽光パネルを設置しています。このパネルは2012年のオープンの時に既に設置していました。合計約250kW(晴天時)の発電が可能で、最大で一般住宅約60件分に相当する電力を得られます。

たくさん発電しているようにみえますが、発電した分を全てつぎ込んでも、モールの運営に必要な全ての電力は賄えません。

そこで、省エネの取り組みに加えて、自分たちが使う電気をもっと自分たちでつくるために、将来的に当モールの駐車場に太陽光パネルを搭載したカーポートを設置する予定です。いずれは当モールで使う電力の全てを、地域でつくった電力で賄うことを目指しています。

イオンモール福津エコインフォメーション

▲1階にあるエコインフォメーション。太陽光パネルの発電量をリアルタイムで見ることができる。

Q7.取り組む中で、ご自身の環境に対する意識は変わりましたか?

A7.間違いなく変わりましたね。

轟さん

ペットボトルの飲み物を買うのではなく、マイボトルを使うようになりました。また、実は当モールの来場者数は増加しているのに対し、廃棄物量は減少しています。お客様の意識もまた、変わってきていると感じます。

Q8.最後に、今後の取り組みについて教えてください。

A8.これからも、お客様、地域の方々に常に見られている存在だと自覚して取り組んでいきます。

轟さん

大規模商業施設としての責任を自覚し、リサイクルや省エネに取り組んでいきます。

また、地域のみなさまや環境団体のみなさまなどとも協力し、自然環境や地域の魅力を発信する取り組みをどんどんしていきたいですね。取り組みを通して、活気あるまちづくりに貢献したいと思います。

イオンモール福津の外観2

▲イオンモール福津の入口。駐車場の周りに地域の小学校と協力して植樹する取り組みも行っている。

インタビューを終えて

イオンモール福津では、多くの人、店舗が集まる大規模商業施設ならではの規模の大きな取り組みが見られ、企業として強い想いで取り組んでいることが分かりました。また、地域や研究機関、行政などとの連携による取り組みも見られました。訪れてみると、いろんな人が参加できる環境イベントがあったり、モール内で小中学生などが作成した環境に関する展示があったりします。お買い物をする時は、ぜひご覧になってください♪

轟さん、本当にありがとうございました!

より良いホームページにするために皆さんのご意見をお聞かせください
このページの内容は参考になりましたか
このページの内容は分かりやすいものでしたか

このページは探しやすかったですか