ウミガメって、どんな生き物?

更新日:2020年02月20日

ウミガメの写真

 ウミガメとはどんな生き物なのでしょうか。どんな進化をとげ、どのような形をし、どのくらいの種類がいるのでしょうか。また何を食べ、どのくらいまで成長するのでしょうか。それぞれ追ってみました。

進化と形態

 背骨のある動物をせきつい動物といいます。その中でも体の表面がウロコでおおわれ、殻に包まれた卵を産む動物をは虫類といいます。
 ウミガメはこのは虫類に属していますが、甲羅を持っていることでトカゲ・ヘビ・ワニなど他の種類とは大きく異なっています。
 カメの先祖は約2億年前に現れたプロガノケリスという種で、湿地に生息していました。その後さまざまな種類に分かれたのち、約1億年前、海を生活域とするものが現れました。それが最初のウミガメです。アルケロンという種で、甲長は4メートルにもなる大きなものでした。
 海で生活するためには、速く、自由に泳ぐことのできる能力が必要でした。そこでウミガメは4本の脚を舟のオールのような形に変化させ、さらに速く泳ぐために、甲羅の大きさをできるだけ小さくし、甲羅の骨も隙間をあけて軽くなるように進化させました。
 その結果、陸上のカメのように手足を甲羅に引っ込めて身を守ることはできなくなりましたが、優れた遊泳能力を手に入れることができたのです。

種と分布

 ウミガメは現在、地球上に7種います。そのうち5種(アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、オサガメ、ヒメウミガメ)は太平洋、大西洋、インド洋と広く分布していますが、オーストラリア北部のヒラタウミガメ、カリブ海のケンプヒメウミガメだけは限られた海域に分布しています。
 日本では、アカウミガメは本州南部から沖縄にかけての海岸、アオウミガメは小笠原諸島や南西諸島、タイマイは琉球列島で産卵するほか、ヒメウミガメとオサガメが沿岸を回遊することもあります。最近沖縄で見つかったクロウミガメは本来ガラパゴスやメキシコの太平洋岸に生息するアオウミガメですが、形態が異なることからクロウミガメとして別に扱うことがあります。
 ただし、分類学的には正式な記載が行われていません。
 本市に産卵に訪れるのはアカウミガメで、世界に広く分布するウミガメです。アメリカ東海岸、ブラジル、南アフリカ、ギリシャ、オーストラリア東岸などに主な産卵場があるほか、日本では本州、四国、九州、沖縄の海岸線に産卵場があり、日本は北太平洋では唯一の産卵場所です。体色は背面が褐色、腹面は淡黄色で、他のウミガメより大きな頭を持っています。

何を食べている?

 ウミガメはえさの食い分けによって競争関係を回避しています。
 アカウミガメは貝(軟体動物)やヤドカリ(節足動物)などの底生動物、アオウミガメは海草や海藻、タイマイはサンゴ礁に生息するカイメン、オサガメはクラゲ類、ヒメウミガメは小さい底生動物を食べるようです。
 日本の沿岸はアカウミガメ、アオウミガメ、そして南西諸島はタイマイのえさ場となっています。

成長と寿命

 ウミガメは、一生の大半を海の中で過ごします。海洋での生活については調査が難しく、分かっていない部分がたくさんあります。成長もその一つで、自然環境下で子ガメが何年たてば親ガメになるのかなど、はっきりしたことが分かっていません。アカウミガメを人為的な環境で育てると、子ガメ(甲長約5センチ、体重約20グラム)が砂浜に上陸する親ガメの大きさ(甲長約70センチ、体重約60キログラム)になるには10年ぐらいかかります。産卵を行える親ガメの大きさは子ガメに比べて甲長で約14倍以上、体重では約3,000倍以上にもなります。
 ウミガメの成長はえさの質や量、水温などの環境で異なると推測されています。条件の良い環境で育ったウミガメは、そうでないウミガメより早く大きく成長していることでしょう。
 「このウミガメは何歳だろう?何歳まで生きるのだろう?」という疑問は誰しもが持つものです。
 しかしウミガメの年齢についても、成長と同様、よくわかっていないのが現状です。
 最近の研究例では、曲甲長60センチのアオウミガメが90センチになるのに約23年かかることや、直甲長30センチから75センチになるまでに約17年かかることが報告されており、アオウミガメが成熟するまでには少なくとも20~30年は必要であろうといわれるようになってきました。成長や寿命はウミガメの種や住んでいる環境によってずいぶん違ってくるとは思われますが、かなり寿命の長い動物ではあるようです。

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