令和2年8月1日 市長ダイアリー

更新日:2020年08月01日

総合教育会議資料

【総合教育会議を終えて】

7月30日の総合教育会議が終わりました。教育委員という、福津市の教育行政の重責にある方々との話し合い。定員70名を超える傍聴の申し込みがあり、市民の皆様の関心の高さを感じました。とても大切な会議、どんな話をさせていただこうかと、何度も考えて臨んだ会議でした。

今回の会議で教育委員さんたち全員が推されたのは、「福間小、福間南小校区を5-4制(小学6年生が中学校舎に通い学ぶ)にした上で、竹尾緑地に中学校を建てる案」(竹尾緑地案)でした。

私が考える「中央公民館がある手光わかたけ広場に小学校を建てる案」(手光わかたけ案)では、福間中の過密化が解消しない、ということを多くの委員さんは心配されていました。「本当は小学校2つ、中学校1つ作りたいけど、予算的に不可能なので、5-4制の竹尾緑地案が一石三鳥と思います」というご意見もいただきました。

そういったご意見に対して私は、「コロナ渦等の経済情勢の影響で、人口増減が大幅に変化する見込みがあること」、また「現在早急に対応が必要なのは福間小・福間南小の過密化であること」をお伝えしました。また、そういったこととは別に、教育委員さんたちとはもっと違う話をしたい。私はそんなふうに思い、お伝えしました。

「未来を語り合いたい」と。

私たち大人がつくってきた今の福津市。子どもたちはここをふるさととして、地元で、また世界で生きていきます。子どもたちは私たちの未来ですから、未来を語れない学校建設論ほど、虚しいものはありません。教育行政とは、何より未来を語る事業であるべきであり、つじつま合わせや妥協はいらないのです。

たとえば5-4制ですが、これはもともと、従来通り小6が小1から小5と同じ敷地内の校舎に通い学び、それから中学に進学するという環境のもとでの教育プログラムのはずです。

しかし今回の5-4制のように、小6が “本籍地” である小学校には帰る教室も机もなく、開校期のほぼすべてを中学の校舎で過ごすとどうなるでしょうか。小6が、中学生と部活動できるなどのメリットなどを挙げた委員さんもいらっしゃいましたが、一緒に練習しても、もちろん中体連には出られません。小6のミニバスケットボール部員は放課後、かなり離れた場所にある小学校の体育館に移動して練習するのでしょうか。

情操教育、生徒会運営、運動会や文化祭など行事の運営、児童を代表する渉外活動。小学校では、最上級生をリーダーにおくという、きわめて重要な学校運営システムがあります。今回の5-4制ですと最上級生は実質小5になりますが、法律上は小6。卒業式は小6がその日だけ帰ってきた小学校の体育館講堂で、“形式的”に行われるのでしょうか。上級生が下級生にリーダーとしてのバトンを渡して見送られるという、日本ならではの卒業式の光景はどうなるのでしょうか。

5-4制自体は、中学の教科担任制を小学校上級学年に導入する等の教科プログラムとして意義あるものなのかもしれません。しかし、今回の5-4制は、小6が中学に通うことになる、施設分離型の5-4制。2つの小学校の過密化が、中学校建設だけでは解消どころか緩和もされないからと、つじつま合わせのようにこれを取り入れたとしたら、教育本来の意義から離れてしまいかねません。

また、竹尾緑地に5-4制の中学が建ったとしましょう。過密化が終わればまた6-3制に戻すのでしょうか。小5も小6も中1も、人は人生に一度しか経験しません。「施設分離型の5-4制がやはり厳しいことがわかったので、従来の6-3制の施設分離に戻します」と言ったとき、かけがえのない当該学年を施設分離型5-4制のもとですごした子どもたちの人生は誰が保障するのでしょうか。

私が教育委員さんにお願いしたいのは、福間小校区、福間南小校区に施設分離型の5-4制を導入するとしたら、今後は6-3制に戻さないという覚悟です。かけがえのない本市の子どもたちの教育環境整備に関わっているという重責を、今一度思い起こしていただきたいのです。

昔は、村役場の近くに学校がありました。それは学校が、地元にとって愛される場所であることの証しでもありました。村役場は消えましたが、145年の歴史を背負って、今も勝浦小や上西郷小、神興小、福間小、津屋崎小が建っています。学校を作るとは歴史を作ることであり、魂を吹き込むことだと私は思っています。先人の想いやまちの歴史を顧みつつ、建設当初より民意や先人の声に耳を傾け、けっして禍根を残すことのない場所に、「100年先まで愛される学校づくり」を目指さなければなりません。

今、無作為で抽出された市民の方に、新しい学校について話し合っていただく対話形式の市民意向調査を企画しています(コロナ渦ですが、できるだけ開催する方向です)。公開する次の総合教育会議も、できるだけ早く開催し、教育委員さん、そして市民の皆さんたちと、対話していきたい。対話とはともに未来を語ること。未来を語ることで、対話は可能となります。対話を通して、みんなで新設校に魂を吹き込んでいきます。

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