旧玉乃井旅館が国の有形文化財(建造物)に登録されました!

更新日:2025年03月17日

戦前の津屋崎千軒の賑わいを伝える木造旅館

旧玉乃井旅館の建造物については令和6年11月22日の国の文化審議会(会長:島谷弘幸)にて国の有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申されていたところでしたが、令和7年3月13日付の官報告示により国の有形文化財(建造物)に登録されました。

福津市における国の有形登録文化財(建造物)は上妻家住宅(津屋崎千軒民俗館藍の家)主屋、同井戸屋形に続いて今回が3例目です。

旧玉乃井旅館外観
旧玉乃井旅館内観

旧玉乃井旅館は津屋崎海水浴場に接して所在する旧旅館です。

津屋崎地区は、江戸時代から明治時代にかけて塩田で生産された塩の積出港として栄え「津屋崎千軒」と称されましたが、明治末年頃には九州鉄道の開通に伴う舟運の衰退や塩田の廃止により港町としての賑わいを失いかけます。その挽回を企図して、1906(明治39)年に海水浴場の開業、1908(明治41)年に福間駅と津屋崎を結ぶ馬車鉄道の開通などがおこなわれました。特に、海水浴場は筑豊の炭鉱地帯からの海水浴客で賑わい、津屋崎は博多の奥座敷と呼ばれるようになり、現在に至っています。旧玉乃井旅館は、かつて木造旅館が建ち並んだ津屋崎地区で唯一残る木造旅館であり、海水浴客で賑わった津屋崎地区の歴史を語る上で欠かせない存在です。

建造物は1909(明治42)年の建築と推定されています。第一島屋旅館の経営者によって取得され、増改築をした上で1934(昭和9)年に第二島屋旅館として開業しました。この時に現在の建物の姿が完成しました。その後、獣医師で津屋崎町議会議員を務めた安部正弘が1946(昭和21)年に第二島屋旅館を買い取って新たに玉乃井旅館を開業しました。

1996(平成8)年に旅館としての営業を終えてからは、現代美術の展示会場等として利用されています。現在は、所有者である一般社団法人海のほとり玉乃井が維持管理を担い、1階調理場はビール醸造所として活用されています。

旅館外観の古写真をお持ちの方がおられましたらご一報ください!

旧玉乃井旅館は明治後期に建築されて以降、改修・改装が繰り返されてきましたが、改修等の履歴や内容には不明な点が多いのが現状です。建造物が建築されてから現在の姿に至るまでの過程の把握は、文化財の正確な理解のために役立ちます。

福津市教育委員会では明治から昭和戦前期までの旧玉乃井旅館外観の写真を探しています。宿泊の際に旅館前で記念撮影することも多いと思います。もし、旅館外観が写り込んだ古写真を所有の方がおられましたら、教育委員会文化財課までご一報ください。複写させていただき、文化財の関係資料として保管させていただきます。ご協力よろしくお願い申し上げます。

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