2012年10月1日号

広報ふくつ10月1日号

小学生のころのことです。本を読んでも、内容が理解できませんでした。音読するときも読み違えがいっぱいで、国語の授業では恥ずかしい思いをしていました。「クラスの友だちはスラスラと音読できるのに、どうしてぼくにはできないんだろう…」情けなく感じていました。
読めるようになろうと努力していくうちに、中学2年生になったころから、書いてある内容が分かるようになってきました。頭の中で、文字を音声に置き換えることで、理解することができるようになったのです。目が開かれる思いでした。
文字の読み書きが特別に苦手な人たちのことを「ディスレクシア」といいます。知能には問題が無いのですが、読み書きが困難なのが特徴です。
一方でディスレクシアの人は、直観的なイメージや、発想力、音楽的なセンスが優れていたり、好奇心が旺盛だったりすることがあるとも言われています。レオナルドダヴィンチやエジソン、ディズニー、ピカソ、トムクルーズなど、さまざまな分野でユニークな才能を発揮した例もあります。
現代社会では、学校でも職場でも、文字を読むということは、もっとも大切な技術の一つで、避けて通ることはできません。ディスレクシアの人も、適切な訓練をしっかり積めば、読めるようになると言われています。
読書の秋です。ちょっと夜更かしして、本との絆を結んでみませんか。そこには豊かな時間が約束されています。藤野