2014年7月1日号

 職場の備品を整理した時に、古いカメラが出てきました。今主流のデジタルカメラではなくフィルムカメラが数台。これまで広報を担当してきた歴代の先輩が使ってきたもので、どれも使い込まれた年代物ですが、見た目に大きな破損はありません。今でもまだ使えるのか確認してみようとあちこち触っていて、はたと気付きました。フィルムカメラの世界に“ちょっと試し撮り”などという言葉はないことに。きちんと撮影できるかどうかは、撮影したフィルムを現像してみるまで分かりません。デジタルカメラに慣れるあまり、フィルムカメラの不便さが逆に新鮮に感じられました。
 今のデジタルカメラは設定をカメラ任せにしておいてもそれなりの写真が撮れますし、撮ったその場で写真の確認ができます。さらに撮った写真はデータとしてメモリに保存されるだけなので、いくらでも撮り直しがききます。フィルムカメラのようにフィルム代や現像代を心配する必要がありません。便利でありがたい話です。しかし、フィルムカメラを使っていた広報の先輩たちに比べると、リスクが少なくなった分、一瞬の情景を切り取ろうと1枚の写真に込める広報担当としての意気込みや情熱が、今は少し薄れてしまったように感じます。 木原

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