2012年8月1日号

 「太ったね」 1年ぶりに会った友人の言葉です。
 3度の飯よりお菓子が好きな私が、お菓子を止めることを決意しました。お菓子の誘惑と戦うこと6週間。「もう甘いものは食べなくてもいいや」という気持ちになりました。
 シュークリーム、チョコレート、スナック菓子、洋菓子、和菓子…お菓子は多くの人にとって魅惑の食べ物です。それはストレス社会に生きている私たちの生活に、至福のひとときを与えてくれます。でもその後が地獄です。中毒のようにお菓子を食べたい、もっと食べたいという気持ちに駆り立てられて、もがき苦しむことになります。お菓子を食べ続ければ、体重は増え、糖尿病になるでしょう。それは確実に苦しむ道であり、寿命も短くなってしまいます。
人間にはさまざまな欲望があります。欲という感覚は、生命が生きるために獲得した大切な衝動ですが、過剰な欲望は害悪です。「お菓子依存症」と「散財」と「健康被害」の3重の苦しみを味わうことになるのです。
そもそもお菓子を食べたいという欲求がなければ、苦しみそのものが存在しません。この欲求の無い状態が、精神的には楽なのです。これはお菓子に限ったことではなく、お酒やタバコ、ギャンブルなどでも同じことです。嗜好物を求める気持ちが無くなれば、すごく楽に生きられることが分かります。健康を害することもなく散財することもありません。
過剰な欲望に突き動かされてしまうのは、本当につらいものです。欲望は甘美なれど苦しみ多きことなり。 藤野

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