2012年12月1日号

 「どんな服を着ても似合わない」と思っていました。顔が大きくて、足が短く、ぽっちゃり系だからです。身に付ける洋服も地味な色を選ぶから、年齢は実際より上に見られます。そういうことから洋服店に入るのは好きではありませんでした。
 先日、キャナルシティ博多で洋服を買う機会がありました。私は、「どうせ何を着ても似合わないし、何でもいいや」という少し投げやりな心持ちで店に入りました。
 店員さんは足が長く細身の体形で、服の着こなしも洗練しています。私は居心地の悪さを感じながらも、店員さんの勧められるままに明るい色の服を試着。自分の姿を鏡で見ると、年相応に見えるのです。うれしくなって服を購入したのでした。
 「どんな服を着ても似合わない」という誤った思い込みが、私の心の中で根深い現実となって、長い間私自身を苦しめてきたのです。
 人間は自分の心が思っていることを、自分がまさに思っているということから、それが真実だと誤解してしまう性質があります。
 自分のことを「駄目な人間だ」と思い込む癖がある人はいませんか？ それはその人の心がそう思い込んでいるだけで、その考えは真実ではないかもしれません。冷静に考察することも無く、自分のことを否定する習慣がある人は、不必要に苦しんでいます。それはとても損なことだと思いませんか？  藤野

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