2014年4月1日号

広報ふくつ4月1日号

さようなら、最後の編集後記です。4月から福祉課で仕事をすることになりました。
人生は変化の連続です。私たちは、成長を喜び、老化に怯えます。財産を得ると喜び、失うことを怖れます。地位を得ると高慢になり、失うと落胆します。褒められて有頂天になり、侮辱されると怒り狂います。変化を喜び、変化に怯え、変化を悲しんだりしています。人間はなぜ変化に対して一喜一憂するのでしょうか。
それは「思ったり、考えたりする」からです。この「思ったり考えたりする」思考は、他の動物にはない人間の特質ですが、その使い方を誤ると心のバランスを崩して苦しくなってしまいます。
人生の変化は、老化も病気も死でさえも、単なる自然現象です。歳を取れば誰でもシワやシミが増え、頭髪は薄くなり、関節は痛みだします。最後は病気になって、死んでしまいます。その自然の変化に対して、人類は「若い身体のままでいたい」と望み、太古の昔から苦しんできました。
「若いままでいたい」、「老いや死が怖い」と叫んでいるのは、脳なのです。さまざまな感情は、心が巧妙に作り上げた思考の産物に過ぎません。老いや死について何とかしようと戦えば、およそ希望か恐怖が生じます。
変化している現象と心の動きを、頭の中でごちゃごちゃ考え過ぎずに、ただ静かに見つめてみてください。藤野